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原状回復工事とは?費用や流れ、賃貸の場合も解説!

2023年09月29日

不動産のオーナーや管理者にとって、物件を維持し、再賃貸する際に原状回復工事は不可欠です。
原状回復工事は、入居者が退去した後、物件を元の状態に戻すために行われ、損傷や変更を修復し、新しい入居者に提供できるようにします。

本記事では、原状回復工事について詳しく解説し、その費用や流れ、賃貸物件における重要性について説明します。

原状回復工事とは?費用や流れ、賃貸の場合も解説!

原状回復工事とは

原状回復工事とはなにか、まずは簡単に解説します。

原状回復工事とは物件を元の状態に戻すための工事のこと

原状回復工事とは、不動産物件の賃貸契約が終了し、入居者が退去する際に、物件を元の状態に戻すための工事のことを指します。
これは、入居者が物件を利用している間に生じた損傷や変更を修復し、再び新たな入居者に提供できるようにするためのプロセスです。

原状回復工事の種類

原状回復工事には、主に2つの種類が存在し、それぞれ「内装解体工事」と「スケルトン工事」と呼ばれています。
これらの工事の違いを理解することで、必要な原状回復の範囲が明確になります。
以下にそれぞれの工事について詳しく説明します。

内装解体工事

内装解体工事は、テナントや部屋の内部の構造を解体し、撤去する作業です。
具体的には、天井や壁など建物の基本的な構造には触れず、内装の仕切りや装飾、付加された内部構造を取り除くことを指します。
これにより、建物の外部構造や基本的な骨組みは変わらず、内部が空間として再利用できます。

内装解体工事は、退去時だけでなく、新しい用途やデザインへの変更を希望する場合にも適しています。特に飲食店では、厨房やカウンターの撤去などが頻繁に行われます。

スケルトン工事

スケルトン工事は、内装解体工事の一種であり、建物内部のほぼすべての内装を解体・撤去し、骨組みだけの状態にする工事です。
具体的には、仕切り、天井の下地、壁の下地、床材、電気や水道の配線、排気設備、エアコンなどの設備関連もすべて取り除かれます。
これにより、建物はコンクリートなどの基本的な骨組みのみが残る状態となります。

スケルトン工事は、原状回復工事の中でも最も費用のかかる工事であり、建物をまっさらな状態に戻すために行われます。

原状回復工事と原状復帰との違い

原状回復工事と原状復帰は似ているように聞こえますが、微妙な違いがあります。
原状回復工事は、入居者が物件を借りて利用した際に生じた損傷や変更を修復するための工事です。
一方、原状復帰は、入居前の状態に物件を戻すことを意味し、新しい入居者を受け入れる前に行われます。

したがって、工事関係者は原状復帰という言葉を使うことが多いです。

原状回復工事の工事区分はどれ?

原状回復工事における工事区分は以下の3つがあります。
原状回復工事がどれに区分されるかは、原状回復工事が行われる場所によることに気を付けましょう。

A工事

A工事は、一般的にビル、マンション、アパートなどの共用部分(通路、エレベーターなど)やガス・排水のメーターなど、入居者にはあまり関係のない部分に関連する工事を指します。
この工事の選定と費用負担は物件のオーナーが行います。
ただし、入居者が共用部分を破損や傷つけた場合、退去時に原状回復にかかった費用を支払うことになるため、入居者も注意が必要です。

B工事

建物自体に工事が必要な場合、通常はB工事の区分になります。
これには、物件のオーナーが業者を選び、費用は借主(入居者)が負担する場合が多いです。
物件のオーナーが業者を選定する理由は、物件の構造や内部の状態を熟知している業者に依頼することが適切だからです。
従って、原状回復の内装解体工事やスケルトン工事は、通常B工事に該当します。

C工事

C工事は、業者の選定と費用の支払いの両方を借主(入居者)が行う工事区分です。
B工事に次いで原状回復の工事で多く見られます。
オーナーを通さないため、費用や工期について入居者が業者と交渉し、決定することができます。
ただし、事前にオーナーとの確認を忘れずに行うことが重要です。

原状回復工事の費用

原状回復工事の相場は、坪単価で確認すると広範囲にわたり、一般的にはオフィス規模に応じて異なります。
以下の情報をもとに、なぜ原状回復工事の費用に10倍以上の差が生じるのか、解説していきたいと思います。

・小規模オフィス:坪単価3万円~5万円
・中規模オフィス:坪単価5万円~7万円
・大規模オフィス:坪単価8万円~12万円

中規模オフィスと大規模オフィスを比較してみましょう。
同じ広さのオフィススペースを考えた場合、坪単価が高い1万円の場合、中規模オフィスの原状回復工事の費用は500万円になります。
一方、大規模オフィスの場合、同じ坪単価でも、広い面積をカバーする必要があるため、費用は2,500万円になります。

このような大きな価格差が生じる要因は、主に以下の点に起因しています。

オフィス規模の違い

オフィスの広さや設備の規模によって、必要な工事内容や工期が異なります。
大規模オフィスやハイグレードビルは、広範なスペースと高品質な仕上げが必要であるため、費用が高くなります。

工事内容の違い

原状回復工事には、内装解体、塗装、設備の修理や交換など、さまざまな工程が含まれます。
オフィスの状態や契約に応じて、必要な工事内容が異なり、それが費用に影響します。

坪単価の設定

坪単価は、地域や市場の需要と供給によって大きく影響されます。
需要が高いエリアや高級物件では、坪単価が高く設定される傾向があります。

したがって、原状回復工事の費用にはさまざまな要因が絡み合い、オフィスの規模や品質に応じて大きな差が生じるのです。
オフィスオーナーや管理者は、工事内容を検討し、予算を適切に設定する際にこれらの要因を考慮する必要があります。

原状回復工事の流れ

原状回復工事は、以下の一般的なステップで進行します。

1. 現地調査と評価

・最初に、物件の現地調査が行われます。これには、建物の内部と外部の状態を評価する作業が含まれます。
・評価には、内部の傷や汚れ、設備の状態、外部の塗装や建物構造などが含まれます。
・このステップでは、原状回復に必要な具体的な作業内容が把握されます。

2. 作業計画の策定

・現地調査の結果をもとに、原状回復工事の作業計画が策定されます。
・どの部分をどのように修復・改修するか、必要な資材や人材の確保、スケジュールの設定などが含まれます。
・予算の見積もりもこの段階で行われます。

3. 施工作業の実施

・作業計画が決定したら、実際の施工作業が開始されます。
・これには、内装解体、設備の修理・交換、塗装、清掃など、具体的な工程が含まれます。
・作業は計画通りに進行し、建物の状態が元の状態に近づけられます。

4. 検査と確認

・施工が完了したら、品質管理のための検査が行われます。
・検査では、作業が適切に行われ、物件が元の状態に戻っているかを確認します。
・問題があれば修正が行われ、再検査が行われます。

5. 完了報告と引き渡し

・最終的な工程では、原状回復工事が完了したことを報告し、物件をオーナーまたは賃貸管理者に引き渡します。
・完了報告には、施工内容の詳細や費用の詳細が含まれます。
・物件は次の入居者や利用者に提供できる状態になります。

これらのステップを順に進め、物件を元の状態に戻すための効果的な工程を確立します。

原状回復工事の正しい知識を身に着けよう

原状回復工事は、不動産のオーナーや管理者にとって欠かせないプロセスであり、物件の状態を維持し、再賃貸するための重要なステップです。
この工事の費用や流れを理解し、正しい知識を持つことは、物件価値の保持とスムーズな運用に貢献します。

賃貸物件に関わる方々は、原状回復工事についての情報を積極的に収集し、専門家のアドバイスを得て、効果的に管理することをおすすめします。

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