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【斫り】と【毀し】の違いとは?原点に回帰してシンプルに解説

2024年02月09日

寒い日が続きますが、みなさん暑い日と寒い日どちらが好きでしょうか?寒い日には「夏がいい」と思い暑い日には「冬がいい」って思っちゃいませんか?厳禁ですよねぇ。まぁ本当に1~2月は寒くてまいっちゃいます。さて気を取り直しまして今回説明するのはそんなこととは全く関係のない【斫り】と【毀し】の違いについてです。かなりフランクに行くつもりですのでなるたけシンプルに説明させていただきます。

先ずは【斫り】です。

建設用語の正式な定義はついぞ存じ上げませぬがこの業界、現場で【斫り】と言えばコンクリートや鉄製の金物を削り落とす、そぎ取る、つまり余計になった部分をオミット(削除)する行為を指して言います。簡単にオミット出来ちゃう行為であれば【斫る】とは言わないと思います。ひと手間かかる作業に限定して【斫る】と言う感じですかね。なんかとっても肌感覚ですみません(笑)

もっともっとシンプルに説明させていただきますと、コンクリートで必要ない部分を削る行為を【斫る】といいます。あ、遅まきながら読み方は【はつる】と読みます。なんか建築士や施工管理技士の国家資格の勉強の中では正確な定義があるとは思いますが、あくまでボクの経験上では現場で【斫り】と言う言葉はこのように使っております。先ずは以下、用例をご覧ください。

用例1「この基礎の天端は少し高いから、10ミリ(とうみり)ほど斫っとかなきゃダメだわぁ」

用例2「この開口の抱きには両サイド、サッシュの水切りが抜いてないから水切りの斫りをしなきゃダメだわぁ」

用例3「ここタイル下地取らなきゃならないけど孕んでるから水糸当たってる部分は全部斫らなきゃダメだわぁ」

と、このように使います。用例1~3のセリフの語尾に注目してください。「ダメだわぁ」で全て終わっております。そうなんです!斫り屋は基本的に新築では「ダメな時、ダメな躯体、ダメな場合」を是正するシーンでニーズが生まれるのです(笑)なんか自分で説明してて思うのは、斫り屋は新築現場の【消しゴム】ですね。ざっくりとした躯体状態の建物を綺麗に細やかに整然と直角並行、美しく仕上げるために【斫り屋さん】は必須なのです。

次に【毀し】です。

これまた建設用語の正式な定義はわかりませんが【毀し】と言えばコンプレッサーとハンドブレーカーを使った人力で出来る、いや、人力でしかできないコンクリートの解体を指して【毀し】と言います。繊細で常にミリ単位で行われる【斫り工事】とは違ってそもそも【毀し工事】とは破壊するイメージです。重機が進入出来ない場所などでエアコンプレッサーによるコンクリートの解体をします。これが【毀し】です。あ、すみません【こわし】と読みます。建物の柱の基礎となる「杭」と呼ばれるコンクリートの柱の先端部分を切り揃える作業、杭頭処理などが花形と申しますか一番脚光を浴びる仕事かと思いますが基本的に杭頭処理は【毀し屋さん】が必須になります。要は【毀し】はコンプレッサーが必ず必要になります。

用例1「この基礎の天端は新設の梁が300ミリぶち当たるから斫り屋さん呼ばないとダメだわぁ」

用例2「この壁にサッシュ付けるはずなんだけど開口が無いから斫り屋さん呼んでこの壁一枚ぶん抜かないとダメだわぁ」

用例3「ここタイル下地取りに来たんだけどGPS見たら外壁が敷地境界線を越境してるじゃん、斫り屋さん呼んで外壁全部解体しなきゃダメだわぁ」

と、このように使います。用例1~3の共通点はですね「ダメだわぁ」と、もうひとつ「斫り屋さん呼んで」ですよねっ!わざわざどうして「斫り屋さん呼んで」と言う表現なのでしょうか?それは車載コンプレッサーも必須だからなんですな。基本的に1.5t~3tのトラックに50~75馬力のエアーコンプレッサーを搭載した車で2~3人で斫り屋さんが行動しております。通常は50馬力ですと2名で1台、75馬力ですと3名1台と言う編成で行動します。そうです、この2~3名が【毀し屋さん】なのです。もちろん毀し屋さんは細かい【斫り】もベイビーチッパーやエアーカッターなどの小さな工具を使えば全て出来ますので建設業界ではどちらも【斫り屋】と呼びますが、我々の世界ではコンプレッサー部隊を指して【毀し屋】、電動の小斫り部隊を指して【斫り屋】と呼ぶのです。

さてさてこれで【斫り屋】【毀し屋】の違いの説明をさせて頂きましたが、いかがでしたでしょうか(笑)大は小を兼ねると言いますが、じゃあ毀し屋さんだけいれば斫り屋さんは必要ないのでは?と言う疑問が生まれそうですよね。そこなんです。実はトラックが必携になるのが毀し屋です。毀し屋さんを呼べば現場の場内ではトラックの置き場の問題が必ず出て来ます。2名でどうにでもなるような作業なら1台分くらい大抵の現場では問題ありません。しかしながら、最低でも20名は必要だと言うシーン(全然普通にあります)では場内でトラック10台分のスペースを確保する必要があります。(2名1台編成として10班)それから大きな問題としてコンプレッサー車のコストがあります。20名必要だとしてそれがコンプレッサー作業がマストだった場合は仕方がありませんが、小斫りで対応できるような作業だった場合は1日で10台分のコストがカット出来ます。

建物の規模は様々です。1日で完結する斫り工事、毀し工事も無数にあります。ですが長い所では数年単位の工事もザラにあります。(実際にウチの社長が嬉々として通っています新宿駅はあと6年も続きますw)そうなってきますと毎日コンプレッサーを投入していた場合といない場合では、場合によっては家が一軒建ってしまうくらいのコストの差が生じてしまうのです。

さて、今回【斫り】と【毀し】の違いについて少しざっくばらんに解説させていただきましたがいかがでしたでしょうか?いまひとつ理解が追い付かない方がいらっしゃいましたら、それはボクの拙い文章力のせいかと思います。なんとなく気になる方がいらっしゃいましたら是非お気軽にXからDMでも構いませんし、このHPのメールから問い合わせでも構いませんので(XのDMの方が匿名でやり取りするには良いかもしれませんね)ご質問ください。

それでは最後までお読みいただき、心から感謝いたします。ありがとうございました!

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