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はつる(斫り)とは?工事の特徴や注意点について解説していきます。
2023年05月10日
「はつる(斫り)工事」という言葉を聞いたことはあるけれど、解体工事との違いやどのような工事かについて知らない方も多いかもしれません。
この記事では、はつり工事の意義や作業内容、際立った注意点について紹介いたします。
はつる(斫り)工事とは?
はつり工事とは、主にコンクリートの製品に対して研磨や切断などの作業を行うことを指します。
これは、鉄筋コンクリート造の建物改修や新築・解体、コンクリートを用いた建造物に対して、この手順が必要です。
これにより、建物の改修や解体をする際に、必要な箇所に効率的かつ正確にアプローチすることができます。
はつる(斫り)工事の特徴
はつり工事には、昔はノミとハンマーでコンクリートを割っていた方法がありましたが、近年では、圧縮空気や油圧、電動モーターなどの機械化した道具を利用することで、生産性が飛躍的に向上しています。
コンクリートを専用の道具で砕いて加工し、騒音や粉じんなどの対策も施した上で、これらの機械を使用しています。
一般的なはつり工事には、コンクリートのはつり工事、はつりこわし工事、そして仕上げのはつり工事が挙げられます。
コンクリート斫り工事
コンクリートはつり工事には、様々な道具が用いられます。
ピックやドリルは、不整形なコンクリートを整える際に必要となる道具です。
職人たちは、これらの道具を使いながら、最も適切な方法でコンクリートを削り、形を整えます。
斫りこわし工事
はつりこわし工事は、建物を取り壊すための工事の一つであり、主にコンクリートや鉄骨などの硬質な素材を壊す作業を指します。
この作業には、様々な機械が使用されますが、代表的なものとしてはクラッシャーや削岩機が挙げられます。
クラッシャーは、超音波や振動を利用してコンクリートを粉砕する装置であり、削岩機は水圧や爆破を用いて堅い岩石を削り取る機械です。
これらの機械を使用することで、効率的に建物の一部を壊すことができます。
斫り仕上げ工事
はつり仕上げ工事は、コンクリート構造物表面に美しさと耐久性をもたらす技術です。
この工事は独特なノミやハンマーを使い、コンクリートの外観を削り出したり、叩き付けたりすることで、美しく独自のデザインを作り上げる作業となります。
この技術は、建築物や公共施設の外観装飾に広く利用され、特に開発中の市街地では、鋼鉄、ガラスなどの近代的な建材との組み合わせによって、都市景観の美しさを向上させるため重要な役割を果たしています。
はつる(斫り)工事の方法
はつり工事には、手作業と重機を使用する2つの方法があります。
それぞれの方法を丁寧に解説します。
人力
リフォームなどでコンクリートを削る作業は繊細であるため、専用の道具を使用して行います。
手作業においては、ハンマー、チッパー、チゼル、タガネなどの金属製工具が一般的に使用されます。
併せて、手動圧縮機やカッターも活用されます。
ハンマーやチッパーはコンクリートに衝撃を与えることで、必要な部分を削り取ることができるでしょう。
一方、チゼルやタガネは、刃先を使って細かな加工を行います。
このような作業には、特に人力で行う場合、繊細さや正確性が求められます。
また、コンクリートを破壊する場合には、ハンドクラッシャーと呼ばれる機器を活用することが可能です。
これは、重機よりも小型で音も少なく、狭い場所での作業に適しています。
さらに、コンクリートを切断する場合には、金属刃のカッターが活躍します。
重機を使用
工事現場では、重機を使った作業が欠かせません。
その中でもショベルカーは、解体や土砂の移動など様々な作業に使われます。
ショベルカーはアタッチメントを取りつけることで、その作業内容を変更することができます。
例えば、コンクリートを解体する場合、ハンマーやノミなどを取り付けることで、素早く効率よく作業を進めることができるでしょう。
また、クラッシャーによる方法として、コンクリートを砕く際には、挟み込むことで処理を行うことがあります。
工事の規模や現場の状況に応じて、重機を使用するかどうかは判断されます。
特に解体工事では、安全性の確保や周囲への影響を考慮して、慎重に判断する必要があるでしょう。そのため、工事業者との事前の打ち合わせで、重機を使用することの可否や使用方法について確認することが重要です。
はつる(斫り)工事の注意点
建物の解体作業であるはつり工事には、他の解体作業とは異なる注意点があります。
ここでは不可避的な騒音発生と必要な費用増加について解説していきます。
周りに対する騒音
工事には騒音と振動がつきまといますが、はつり工事の場合、その問題は尚更深刻になります。
はつり工事とは、コンクリートや鉄筋など耐久性の高い材料を削ったり、切ったり、壊したり、穴を開けたりする作業です。
しかも、この作業は重機を使用しなくても騒音が大きいため、近隣住民などの配慮が不可欠です。
そのため、周囲の住民の考えや地域コミュニティのルールを尊重することが求められるため、はつり工事を行う際には細心の注意が必要です。
また、はつり工事は、環境にも大きな影響を与えるため、工事の時間帯や期間についても慎重に検討する必要があります。
周囲の環境や住民の生活に配慮しつつ、工事を進めることが求められます。
工事のコストがかかる
騒音対策や重機使用、職人の人件費などが、工事費用を高くしています。
限られたスペースでの作業のため、重機を使用できず時間もかかってしまいます。
このため、費用も大幅に増加していると考えられます。
さらに、解体業者が工具を借りる場合があるため、解体費用に賃借料が含まれます。
もし見積もり段階で費用が予算オーバーしてしまう場合は、削れる部分を削ってしまうことで、工事費用を削減することが可能です。
しかし、見積もり段階で想定していなかったことが発生した場合は、実際の工事で追加費用がかかることもあります。
そのため、見積もり段階で細かくチェックし、すべてを想定しておくことが大切です。
まとめ
今回は、はつり工事についてご紹介してきました。
最初には、はつり工事の定義や特性、そして解体工事との相違点について説明しました。
もしかしたら、はじめは馴染みがなかったかもしれませんが、実際には、この部分の工事がちぐはぐだったことに気づいた方もいるかもしれません。
また、はつり工事の作業や方法について、そして最後に注意点に関しても説明しました。解体工事を検討している方々には、参考になる内容だと思います。