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実はかなり高級な仕上げなんです。びしゃん仕上げってご存知でしょうか。
2023年03月05日
みなさん、こんにちは。この「NEWS」の欄はなかなか読んでくれている方は少ないかと勝手に思っています。ですので「毎日ご苦労様です」とかの書き出しは別にココではいいかなって思ってます。ほぼ社長のブログになっちゃってますのでご容赦下さいね。
さて、3月に入っていきなり暖かくなった気がします。ようやくですよね。1月の下旬から毎日、溜池山王に通っているのですが、6時頃は真っ暗で夜と全く変わらなかったものが今日なんて同じ時間なのに普通に明るかったです。出勤直後っていつも真っ暗なイメージだったので、最近は出勤直後が明るいだけにやらかしたような気もしてしまい不安になって何度も時計を確認してしまいますよね。勝手な憶測でしょうか(笑)
さて溜池山王には電車で通っているのですが、ボクの出発駅の中央林間の駅には東急ストアの建物が連結で建っているのですが、その建物の南側の歩道に面した植栽の壁の仕上げが「斫り仕上げ」いわゆる「びしゃん仕上げ」になっているんですな。まあ普段外を歩いている時は、ほとんど壁なんて気にしていなかったのですがなんとなく気付いてしまいました。
では「びしゃん仕上げ」ってどんな仕上げかと言いますと、数パターンあるのですが基本的には打ち放しのRC壁のつるつるの表面を「びしゃんノミ」と言う立方体のノミでザラザラにするんです。四角い判子をイメージしていただいて、接触面に5ポイントや9ポイントの先端がダイヤモンドの爪が付いています。ご想像の通り、爪が多いほど目が細かくなり爪が少ないほど目は荒くなります。
最近ではブラストと言って水の力でゴムの塊を壁にぶつけてやってしまう事も多いみたいですね。これだと大変安くなります。1/4くらいの単価になります。
しかしながら単価の問題ではないと思います。時代と共に色々変化があるようですが、ボクの考えだと機械が人間を「粋(いき)」と言う美しさの領域で上回ることは永久に無いと思います。これは斫り仕上げの美しさの根源がどこにあるかと言う話なのです。同一の職人が同じ面をすべて手作業で「びしゃんノミ」で大きな面を作ってから「蜻蛉(トンボ)」と言うハンマーに近い道具で「小たたき」と言う手法で細かい部分は仕上げて行く、極めて手間のかかる仕上げであって、デザインによってはダイヤモンドカッターで額縁を切ったものこそがひとつの納品であると思うのです。それこそが美しさであってそれを「美しい」と感じるセンスこそ「粋」と言うものだと思うのです。
ですから機械でやった無表情な面を見ても何も感じないと言いますか、そういうのは耐震補強工事などで後から打ち増ししたコンクリートが既存のコンクリートとの結合をよくするためにやる「目荒らし」で使えば良いものであって、びしゃん仕上げに機械を使った時点で「それはびしゃん仕上げでは、ないでしょう(笑)?」とボクは思うのです。
これも勝手な価値観ですよね(笑)「今はそんな時代じゃない」って言われたりします。安ければ良い。機械でやれば安価だ。様々な意見がありますが、根本的にボクの価値観の中でそれは「そんなの時代関係ないだろ」って案件なんですよね(笑)
では最後に、その東急ストアさんの、年季の入ったびしゃん仕上げの壁の画像を置いときます。これは機械でやっていません。特に下のほうは結構きつかったと思います。ご照覧あれ。